手抜き工事もお見通し 宇宙線で鉄筋の透視成功 [朝日新聞]
2008年8月13日 時事ニュース手抜き工事もお見通し 宇宙線で鉄筋の透視成功
地球に降り注ぐ宇宙線を使って、鉄筋コンクリートの中の鉄筋を透視することに
東京大学などのグループが成功した。手抜き工事などの鉄筋不足を、建物を壊さず見抜けるという。
東京大地震研究所の田中宏幸・特任助教は高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)
などと共同で宇宙線「ミュー粒子」の量と、飛んできた方向を観測する装置をつくった。
長さ5センチの棒状のプラスチックでミュー粒子があたると光をだす。この光を電流に変え、記録する。
実験ではこの装置を、直径5センチの鉄筋8本が入った太さ約20センチのコンクリートの
前後に置いた。ミュー粒子は鉄筋コンクリートを通り抜けるとき、密度の高い鉄に衝突すると
進路が曲がる。そこで、まっすぐに通り抜ける粒子を約17時間観測した。コンクリートだけの
部分に比べ、鉄筋のある部分は個数が減り、そのデータから鉄筋の間隔や太さが推測できた。
X線は厚いコンクリートを通り抜けられないし、被曝(ひばく)の恐れもある。
だが、ミュー粒子は厚さ1キロの岩盤を通り抜けるほど透過力が強い。設計図が改ざんされた
耐震偽装事件のようなケースのほか、設計図は正しいのに現場で鉄筋を減らすなどの
手抜き工事の検査にも使えるという。(鍛治信太郎)
◇
ミュー粒子 物質を形づくる12種類の素粒子の一種。重さは電子の約200倍で、
電子と同じ負か正の電荷を持つ。宇宙放射線が大気に衝突して生じる。地表に達する
宇宙線の約7割はミュー粒子で、残りのほとんどは電子。地上では手のひらぐらいの
面積あたり毎秒1個ほど降り注いでいる。
朝日新聞 asahi.com(2008年8月13日15時0分)
http://www.asahi.com/science/update/0813/TKY200808130230.html
別の事を想像したヤツ挙手しる
さかち的イメージ
http://www2.ncc.u-tokai.ac.jp/v-kouza/www/no3-f18.gif
コメント