静かなるこんな夜は

2004年10月24日
灯りを消した部屋
降りささめく雨
グラスの中の琥珀色の液体
 
 
何か在った訳じゃ無い

そう
何か在った訳じゃ無い

静か過ぎる、夜の雨音がそうさせたのかも知れない
 
 
グラスの底に浮かんでは消えて行く由無しごとを
酒と一緒に飲み下す

腸をナイフで抉る
そんな味わい
酒の苦さか、浮世の業か
 
 
夜の闇が饒舌に答えてくれるならば
夜の価値はなかろう
 
 
詠うように
語るように
傍らに佇む静寂を友に
独り、グラスを傾ける

こうして、長過ぎる秋の夜は更けて行く
 
 
 
そして、翌朝寝坊した
 
 
 

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